高知県はシラス(稚魚)が豊富にとれることから、全国でも有数のうなぎの産地となっています。
この豊かな自然を活かして、よりおいしいうなぎを育てたい。そして故郷である東洋町に貢献したいという想いでプロジェクトが始まりました。
うなぎが健康に育つかどうか、身がやわらかくておいしくなるかどうかは“水”にかかっています。
弊社では、高知県ではほとんど使われていない「閉鎖循環式陸上養殖システム」という画期的な方法を用いて、他のうなぎとは一線を画したおいしいうなぎの養殖に成功しました。
東洋町は高知の田舎の小さな町であり、雇用がなく過疎化や高齢化が進んでいます。
東洋町で生まれ育った代表の岡﨑は「なんとかして雇用につながる事業を創りたい」という想いで、うなぎ一筋40年以上のキャリアをもつ浅間に相談し、豊かな資源を活かして東洋町独自のブランドうなぎを創り、一大産業に育てようというプロジェクトが立ち上がったのです。
地盤・立地など天災に強い用地選び、水の確保、養殖方法の検討など、構想から7年あまり。幾度となく壁に当たりました。
近年ではコロナ禍で資材が届かない、技術者も呼べないといった問題も発生しました。もちろん、水づくりや養殖方法も試行錯誤しながら検討してきました。
このようなさまざまな課題をクリアし、2021年4月から愛情を込めて育てた第一号のうなぎが、2022年4月に初出荷を迎えます。
外国産のうなぎも、品質が悪いわけではありません。
特に、中国では養殖場の規模が大きく、うなぎを自然に近い環境で育てているため、価格が非常に安く、品質もかなり高いです。外国産であってもおいしくないということは決してありません。
一方で、ごく一部では産地を偽装した商品や薬が残留した商品が出回っているのも事実です。
皆さまに安心・安全なうなぎを召し上がっていただきたい、そして日本の食文化を守りたい。
そうした想いで、弊社では純国産うなぎにこだわっております。
うなぎの発育を最も左右する要素はやはり“水”です。
東洋町うなぎは、東洋町を流れる清流野根川の分流である相間川のほとりからくみ上げた井戸水で育ちます。
井戸を何箇所も試掘し、鉄分や塩分の含有量などもしっかりと調べ抜いて、最良の水のみを使っております。
水中の善玉菌量を増やせるよう、ろ過技術にもこだわりました。
これによって病気になりにくく、泥臭さを感じさせない、上質なうなぎが育つようになります。
うなぎづくりは水づくり。40年以上の経験とノウハウが詰まった集大成です。
閉鎖循環式陸上養殖システムとは・・・
弊社では「閉鎖循環式陸上養殖システム」という養殖技術を採用しております。
四国では初めて採用される仕組みで、国内では数社のみが取り入れています。
水をフィルターに通してごみなどを除去した後に、90種類もの微生物や善玉菌を増やして水槽に戻すことで、健康で病気に強いうなぎが育つようになります。水質管理や温度管理も徹底しているため、うなぎたちにとっては最良の環境です。
うなぎにストレスを与えない生育環境
うなぎは非常にデリケートな生き物です。
振動や音に弱いため、極力ストレスを与えないよう、給餌や清掃作業なども配慮して行っています。うなぎは夜行性であり、夏は活発に活動するため、常時薄暗い状態にする、水温や気温を高めに設定するなど、24時間体制でうなぎにとって最高の環境を維持できるよう整備しました。
それ以外にも極力うなぎたちがのびのび生育できるよう、スタッフが愛情を込めてやさしく接しております。
環境への配慮
閉鎖循環式陸上養殖システムは非常に環境にやさしい技術です。水自体をろ過・循環させるため、地下水の組み上げ量も、排水量についても最小限です。水の加熱についても真空式温水器で行うため、CO2の削減に貢献しております。
上質なうなぎが育てられるのは、東洋町の豊かな自然があってこそです。弊社では、産業廃棄物(フィルターのフェルトなど)の処理についても最大限配慮するなど、環境に極力悪影響を与えないよう取り組みを強化しております。
安定した製品供給
弊社では海上ではなく室内で養殖を行っているため、気候や天候の影響を受けることがありません。また、海抜13mの場所にあり、地盤についても考慮して用地を選んだため、津波や地震災害にも強く、安定した製品供給が可能です。
加工に関しても、老舗で活躍している技術力が確かな職人が手掛け、おいしい高品質なうなぎを確実に食卓にお届けできる体制を整えております。